♦「生徒の理科」創刊のあいさつ ♦査読有り電子論文誌に出版するメリット ♦「生徒の理科」とは? ♦論文投稿・査読と編集委員 ♦論文の投稿から出版までの手順 ♦査読段階(論文投稿から受理まで) ♦出版段階(論文受理から出版まで)
「生徒の理科」は日本初の生徒理科研究のための査読有り自由閲覧電子論文誌です。我が国では毎年、高校・中学生徒の理科研究発表会が数多く開催され、多くの研究が発表されています。しかし、その研究が査読有り論文誌に出版されることはほとんどありません。その結果、生徒理科研究論文の多くは他者に読まれたり、引用されたりすることはほとんどありません。残念なことです。研究成果が論文誌に出版されない原因の一つは出版するための適切な場がないことです。そこでわたしたちは生徒理科研究の成果を論文出版するための論文誌「生徒の理科」を発行することにしました。この論文誌は新規性のある原著論文を掲載し、社会的に公表・記録します。その結果、論文は他者に読まれたり引用されたりするようになります。また、生徒理科研究の歴史に評価・位置づけされるようになります。そして、生徒・教師は論文出版を通じて生徒理科研究の発展に貢献できるようになります。この論文誌は査読有り論文誌なので、専門分野の研究者・教育者による査読を経たうえで掲載されます。その結果、生徒は査読者とのやりとりを通じて科学的な論理性と信頼性、叙述の明解性の高い論文を出版できます。また、この論文誌は自由閲覧電子論文誌として発行されるので、だれでも無料で許可なく自由に読むことができます。その結果、論文は多くの人に読んだり利用・引用したりしてもらえます。また、生徒は他者の論文を読むことを通じて理科研究への興味を発展させたり、研究のしかたや論文の書き方を学んだりすることができるようになります。「生徒の理科」は生徒理科研究のレベルを向上させ、その発展に大きく貢献するに違いありません。理科研究にとりくむ高校・中学生徒やその指導者のみなさんがこの論文誌を活用して、みずからの研究を社会的に公表されることを期待します。また、生徒理科研究の振興に取り組んでおられるみなさんやこれに賛同されるみなさんには、この取り組みへのご理解とご協力をお願いします。
生徒の理科研究所所長 辻村秀信 .
論文を査読有り電子論文誌に出版するメリットは大きい!
研究成果を原著論文として査読有り自由閲覧電子論文誌に出版すると、研究発表会や論文コンクールにはない多くのメリットが得られます。
① 論文が論文誌に社会的に正式に公表・記録されるので、他者に引用されたり生徒理科研究史のなかで評価されたりするようになります。
②査読・書き直しによりレベルの高い論文にし上げることにより、研究のしかたや論文発表のしかたを身に着けることができます。
③論文はweb上で自由閲覧できるので多くの人に読んでもらうことができます。
④研究活動の実績を形のある業績として残すことができます。
「生徒の理科」とは?
①「生徒の理科」は、高校・中学生徒のおこなう理科研究の成果を原著論文として出版するための査読有り自由閲覧電子論文誌です。掲載される論文は、新規性のある生徒理科研究の原著論文(「生徒の理科」生徒論文)です。「生徒の理科」には、この他に生徒以外の者によるシニア論文、総説論文、方法論文、評論を掲載し、生徒理科研究を総合的に支援します。ここでは、「生徒の理科」生徒論文について説明し、他は別に説明します。
②対象とする研究分野は、高校理科系科目のすべての領域、すなわち、生物、化学、物理、地学、応用数学、その他です。当面は、編集者・査読者の関係で、生物、化学(生化学)、応用数学、その他とします。他の分野はしばらくお待ちください。
③この論文誌では、理科研究を行っている生徒とその指導者である学校教師あるいは塾講師等が共同著者として論文を発表します。また、教師(塾講師)は責任著者となり著者全体を代表します。
④この論文誌では、関係分野の大学教員(研究者)と高校教師(教育者)の査読結果に基づき編集部により出版可と判定された論文だけが掲載・公表されます。投稿された論文は別に定める基準により評価されるとともに、しばしば書き直しや、追加データ、追加実験が求められます。この査読により、論文は出版価値のあるレベルにまで質を高めたうえで出版されます。
⑤査読における出版の可否の判定基準は、1.論文に「日本語で行われる高校・中学・小学の理科教育とこれまでの生徒理科研究を超える新規性」と「参照・引用文献を超える新規性」があること、2.科学論文として成り立っていることの2点です。これらの基準を満たしておれば、原則として生徒理科研究論文として出版可能と考えます。
⑥この論文誌は、自由閲覧電子論文誌として出版されます。すなわち、「生徒の理科研究所」のホームページに電子書籍として出版・公表され、記録されます。また、ホームページに掲載された論文はだれでも許可なく無料で読むことができ、ダウンロードすることができます。
⑦「生徒の理科」掲載論文は、社会的公表と保存を保証するために、生徒の理科研究所のホームページに掲載し、「生徒の理科」が存続する限り誰でもいつでも見られるようにします。(その結果Google検索で出てくるようになります)。また、掲載論文は、世界的にホームページ情報を収集・保存しているWayback Machine に登録・保存し、生徒の理科研究所のホームページからだけでなく、Wayback Machine の記録ファイルからも見ることができるようにします。将来的には、すべての掲載論文について、DOI(デジタルオブジェクト識別子)を付与・登録し、世界的レベルで特定可能な論文とする予定です。また、日本で出版される学術論文の電子ジャーナルの公表・記録サイトであるJ-Stage(科学技術振興機構)に登録する予定です。さらに、「生徒の理科」誌の各巻は、ISSN(国際標準逐次刊行物番号)をつけて国会図書館に電子論文誌として納入登録する予定です。
⑧この論文誌の出版にかかる経費は、論文の著者(学校あるいは生徒と指導教員等)がその研究経費等から出版料として支払います。出版料は査読結果が「出版受理」となった論文現行の本文について次式で求められる額です。 論文出版料(円)=論文本文総字数 x 3(円) + 40,000(円)
ただし、著者の所属する学校あるいは著者(指導教員・生徒)が公的機関から研究経費の配分を受けていない場合には、出版料を30,000円だけ特別割引します。長期的には、生徒の理科研究所がよびかけて設立する論文出版奨励基金や公的補助金から出版料の一部を援助する計画です。
原著論文とは? 査読有り論文誌とは? 自由閲覧電子論文誌とは?
①原著論文とは?
研究者が研究結果を正式に発表するための論文が原著論文です。査読有り論文誌に発表されます。科学研究の世界では、ポスター発表・口頭発表・論文コンクールのために提出する研究概要(論文)等は正式の研究発表とは認められません。正式の研究発表として認められ、引用してもらえるのは原著論文だけです。ポスター発表・口頭発表・論文コンクールのために提出する研究概要等は、確定した論文ではなく、コミュニケーションのための過渡的な報告、あるいはコンクールのための審査資料とみなされます。この原著論文の考え方は「重複投稿の禁止」と関係しており、同一のデータは1つの原著論文にしか掲載することができません。すなわち、同じデータを別の論文に載せるとき、あるいは、その要約等を載せるときは、そのデータが最初に掲載された原著論文を引用してしか載せることができません。
②査読有り論文誌とは?
掲載される論文の信頼性やレベルを高めるため、多くの論文誌では、関係分野の研究者・教育者の査読により出版可と判定された論文だけが掲載・公表されます。このような論文誌のことを査読有り論文誌といいます。自然科学の分野では論文は査読有り論文誌に出版されて初めて原著論文として認められます。査読有り論文誌では、投稿された論文は論文誌ごとに定める基準により査読者により評価され、しばしば書き直しや追加データ・追加実験が求められます。その結果、論文は当該論文誌の求めるレベルにまで質を高めたうえで出版されます。したがって、査読有り論文誌に掲載される論文は査読により一定の信頼性が担保されている論文である考えられます。この信頼性の担保が他者の論文に引用される理由です。ポスター発表・口頭発表・論文コンクールのために提出された研究概要(論文)が引用されない、あるいは、引用する必要がないのはこの信頼性の担保がないからです。
③自由閲覧電子論文誌とは?
論文が印刷物ではなくホームページに掲載され、だれでも無料で自由に読んだりダウンロードしたりできる論文誌のことです。多くの自由閲覧電子論文誌では、論文出版に必要な経費は論文の著者が出版料として支払います。
「生徒の理科」への論文投稿・査読と編集委員
「生徒の理科」への論文投稿は別ページの「論文投稿規定」にしたがって行います。投稿論文の査読は編集部に所属する編集委員と外部の関係分野の研究者と生徒理科研究指導教師とから選ばれる査読委員により「論文査読基準」にもとづき行われます。投稿論文の「生徒の理科」への最終的な掲載の可否は査読結果に基づき編集部が行います。編集部を構成する各分野の編集委員リストと略歴は別ページにあります。
論文の投稿から出版までの手順
論文の投稿から出版までの手順は2段階からなり、査読段階と出版段階からなります。
査読段階(論文投稿から受理まで)
①著者は「論文投稿」ページの「論文作成の基本事項」と「論文原稿作成法」の指示にしたがい、論文を書きます。
②仕上がった論文は、「論文の投稿方法」に従い、責任著者がメールで「生徒の理科」編集部に投稿します。編集部からは受け取りのメールをお送りします。
③投稿された論文は、一定の基準に基づいて、編集部による「基礎査読」と、関係分野の編集委員1名と査読委員2名(または1名)による「査読」が行われます。この時、査読委員は論文受理の可否の評価だけでなく、科学論文として出版するための指摘・助言を行います。編集委員と編集部は査読委員の評価と指摘・助言を参考に、論文の受理、書き直し受理、書き直し再査読、出版不可の判断を行います。この査読結果は査読委員の評価と指摘・助言とともに著者にメールで通知されます。
④前回の投稿で査読結果が「書き直し再査読」であった論文の再投稿論文は、指摘・助言事項に対する回答文書とともに関係する編集委員と査読委員により再査読されます。編集委員と編集部は査読委員の評価と指摘・助言を参考に、論文の受理、書き直し受理、書き直し再査読、出版不可の判断を行います。この査読結果は査読委員の評価と指摘・助言とともに著者にメールで通知されます。
⑤前回の投稿で査読結果が「書き直し受理」であった場合、著者は必要な追加実験、書き直し等を行い、査読委員の指摘・助言事項のすべてに対する回答を記した文書とともに、論文を「書き直し投稿」します。この時、出版料特別割引の希望調査にも答えます。再投稿論文が査読委員の指摘・助言事項のすべてに適切に回答され、論文が書き直されておれば、「出版受理・出版料通知」が著者に送られます。「論文出版料」は、「出版受理」となった論文原稿の本文の文字数により決まります。
⑥「書き直し受理」の段階を経ずにいきなり「出版受理」となった場合は、「出版受理通知」が著者に送られます。著者は、再度、論文原稿をチェックし、完成された状態にして、「書き直し投稿」します。この時、出版料特別割引の希望調査にも答えます。直ちに編集部から「出版料通知」が著者に送られます。「論文出版料」は、「書き直し投稿」された論文原稿の本文の文字数により決まります。
出版段階(論文受理から出版まで)
⑦著者は「論文出版料」を直ちに払い込みます。
⑧「出版受理」となった論文原稿は、編集部により科学論文として適切な文章にするための校閲が行われます。編集部は論文出版料の入金確認後、校閲済み原稿を著者に送り返します。(この過程は省略され、ただちに版組・ゲラ刷り⑩となる場合もあります。)
⑨著者は校閲済み原稿を確認し、必要部分を書き直して最終投稿します。
⑩最終投稿された論文は編集部で出版論文の形に版組され、ゲラ刷りが著者に送られます。
⑪著者はゲラ刷りを校正し、校正原稿を編集部に送ります。
⑫編集部は校正原稿に従いゲラを修正し、直ちにweb上に論文を掲載します。同時に、著者に出版論文の電子ファイルを送ります。
⑬著者はweb上に掲載された論文を確認します。
⑭編集部は掲載論文をWeyback Machineに登録します。