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Seitonorika 2021-2, 2021年11月9日掲載, 全文表示 Pdfダウンロード
辻村秀信
要旨: 市販レタス種子(Lactuca sativa L.)の発芽様式に及ぼす温度の影響を調べた。その結果、①グランドラピット品種の種子は典型的な光発芽種子ではなく、温度により発芽様式を変える種子であることが分かった。すなわち、②生育適温を含む23℃以下では明暗両条件下で発芽する非光感受性種子の性質を示した。③生育適温を超える中高温では暗条件における発芽率が低下し、28℃~30℃では明条件でのみ発芽する光発芽種子の性質を示した。④高温の33℃以上では明条件における発芽率も低下し、ほとんどの種子が非発芽種子の性質を示した。⑤この結果を同品種の自家採種種子の既報データと比較した結果、両者は同様の発芽様式変化を示すことが分かった。⑥他の6品種を調べた結果、すべてが生育適温の20℃では光発芽せず、非光感受性発芽をした。市販種子は生徒による発芽研究のよい研究材料となるだろう。
類別:シニア論文、分野:生物、キーワード:市販種子、温度、光発芽、レタス

大沢慶幸1,辻村秀信2
seitonorika2016-1,2016年11月8日受理,  全文表示ダウンロード Pdf
要旨:本研究では、カイコの翅の成虫分化におけるエクジソンの役割を明らかにした。まず、蛹期における翅の成虫分化の過程の組織学的変化を記載し、つづいて蛹化後様々な時期における中胸部結紮、結紮した個体への様々な濃度のβ-エクジソン注射により脱皮ホルモンの後翅の分化に対する効果を調べた。その結果、カイコ翅の発生における鱗毛の分化は蛹2日までに分泌されるエクジソンで十分であり、低濃度エクジソンにより促進され高濃度のエクジソンにより阻害される、成虫クチクラの分化は高濃度のエクジソンにより促進されることが分かった。
分野:生物  キーワード:カイコ、翅分化、エクジソン、変態